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孫作女耕#1

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【収録内容】 ファイル形式: MP3 ◆千葉県松戸市・みずきちゃん――髪の毛が自然に内巻きになる子 ◆愛知県名古屋市・琴音ちゃん――字がとてもきれいな子 ◆北海道札幌市・ひよりちゃん――声がとても透き通っている子 ◆兵庫県神戸市灘区・あかねちゃん――話すときに自然と笑顔になる子 ◆福岡県久留米市・結菜ちゃん――背筋がすっと伸びている子 ◆奈良県橿原市・こはるちゃん――鼻筋がきれいな子 ◆宮城県仙台市・理子ちゃん――小さくてきれいな手をしている子 ◆岡山県倉敷市・ももかちゃん――笑うとえくぼが出る子 ◆埼玉県川口市・葵ちゃん――まつ毛が長くて影ができる子 ◆長野県松本市・さきちゃん――声が小さいのに、なぜかよく通る子 ◆石川県金沢市・心菜ちゃん――小柄で動きがきびきびしている子 ◆北海道函館市・遥香ちゃん――どんな本でもすぐ読んでしまう子 合計再生時間: 02:20:39 ※導入部分無料サンプルあり 【バックグランドストーリー】 山のふもとにある小さな村。その外れに、ぽつんと一軒家がある。瓦はところどころ欠けているが、毎朝きちんと掃き清められた玄関と、小さな花壇の手入れは行き届いており、住まい手の几帳面さがうかがえる。そこに暮らすのは、一人の老人だ。 背は低く、背中も少し丸まっている。髪はまばらになり、よく笑う皺の深い目元が優しげな印象を与える。村の女の子たちは、彼のことを「おじいちゃん」と親しみを込めて呼び、畑の帰りにふらりと立ち寄っては、飴をもらったり、昔話をねだったりする。 「今日もかわいい服を着てるねえ、似合ってるよ」 そう言ってにこやかに笑う姿は、誰もが微笑ましく思う。女の子たちも慣れた様子で、彼の頭を軽く叩いたり、肩にもたれかかったりする。 ただ、時折見せる仕草に、少しだけ違和感を覚える者もいた。たとえば、相手の話を聞いているとき、じっと目を細めたまま、頬を撫でるように手を這わせる癖。あるいは、女の子が屈んだ拍子に、その視線がほんの一瞬だけ、明後日の方向を向くこと。 「昔は、ずいぶんと派手な人だったらしいよ」と、村の古株たちは口を揃える。ただし、その話の詳細を尋ねても、誰も多くは語らない。中には、「あの人、村に戻ってきたとき、最初は少しざわついたんだよ」と言葉を濁す年配者もいる。 それでも、今の彼はただの一人暮らしの老人だ。縁側に腰掛け、ひなたぼっこをしながら、木漏れ日の揺れる音に耳を澄ませている。膝には猫が乗り、手元には読みかけの詩集が置かれていた。 ある晩、女の子のひとりがふざけて言った。 「ねえ、もしおじいちゃんが昔すごく悪い人だったらどうする?」 そのとき彼は、ただにっこりと笑った。そして、静かに返した。 「人は、歳をとれば変わるもんさ。……たいていは、ね」 その笑みは、穏やかで、どこまでも優しかった。けれど、その瞳の奥には、ふとした瞬間、まるで深い井戸の底を覗き込んだような、吸い込まれるような暗さが見えた気がした。 風が、軒先の風鈴を揺らしていた。どこか遠くで、犬の遠吠えが聞こえた。
配信開始日 2025/05/28
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