魔女と聖女と祝福の母乳 -1-
心優しい尼僧が森に棲む魔女を教会に勧誘した結果、貧民のためにその身を捧げる幸せな牝牛にされる話。
文字数は約15,000文字。
「いやあ、このミルク粥のうめえことと言ったら!」
「まったくよ。固くなったパン一切れや、味気ない水だけの粥だった頃とは天地の差だわね」
教会へ施しを求めてきた貧民たちが、口々に喜びの声を上げる。
「ふふ、どういたしまして」
このアンティリアという女性がここに来てからというもの、毎日の施しに濃厚なミルクが加わったのだ。
「しかし……、家畜なんて、教会じゃ飼ってねえでしょうに」
「そうよね。新鮮なミルクなんて、毎日どこから仕入れていらっしゃるのかしら?」
「ああ、それは……」
魔女は、意味深な笑みを浮かべた。
「……いえね。実は、神のお授けになった家畜を、教会で飼っていますのよ」
タイトル画像および挿絵(1枚)に、AI生成画像の加工品を使用しています。
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