徳望へのデビル・マキナ

「ああ、駄目です…、わたくしは、駄目なのです…」 手の温もりを手放して、昇る朝日を背にシスターは走る。 彼を感じられなくなるほどに遠くへ。 手に持っていたリングケースの中には、彼の思いが詰まった指輪が入っていて、彼女の信仰心と秤にかけることになる。 そんな彼女の葛藤はさておき、今日もひたむきに神を信仰する新米シスター『ブレン・アイリール』へと迫る指導者『ジグネット・ルニン・ウォルシュ』による計画がその日、行われようとしていた。 差分込み56p